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Delilah / Anderson East

アラバマ州アセンズ出身のブルー・アイド・ソウル・シンガー。現在はナッシュヴィル本拠らしいけど、アラバマ州マッスル・ショールズへと出戻って名門フェイム・スタジオで録音されたデビュー盤。なっかなかいい声でソウルフルなパフォーマンスを聞かせてくれます。

スタージル・シンプソン、ジェイソン・イズベルらを手がけてきたデイヴ・コブのプロデュース。曲によってジャッキー・ウィルソンのようだったり、オーティス・クレイのようだったり、ヴァン・モリソンのようだったり、ジョー・サウスのようだったり、ザ・バンドのようだったり…。

ジョージ・ジャクソンのカヴァーが1曲。あとは本人の自作曲。ソングライターとしてもなかなかイケてます。

Coming Home / Leon Bridges

まあ、レトロ・ソウル系ってことになるのかな。音楽誌やら新聞やら、イギリスを中心に各所でやけに話題を集めているテキサス出身、25歳の新人シンガー。デビュー・アルバムが出た。フラゲしました。曲調、音像、楽器、録音方法、見た目、動き、すべてかなり戦略的に往年のソウル路線を再現しようと目論んでいるようで。面白いっちゃ面白い。

ただ、けっこう詰めは甘いというか。コアな60年代ソウル・マニアとかからすると、バカにすんなよ…という声が上がるかも。歌声も細いし。ピッチも甘いし。この人自体がどのくらいの才能と柔軟さを持っているのかに関しては微妙。未知数だ。オースティンのサイケ/ガレージ系ロック・バンド、ホワイト・デニムのメンバーが絡んでいるらしきサウンド作りも、あまり細部にまではこだわらない、ゆるめの仕上がり。

ただ、これでこの人がバッキバキにシャウト・ヴォーカルを繰り出す歌唱力自慢タイプだったら逆に世界観がウソっぽくなりそうなのも事実。全編、声を張らずに軽く歌っていることで、どこかシンガー・ソングライターのアルバムっぽいリアルな感触も生まれていて。これはこれで“あり”なのかも。“レトロ・ソウルの真打ち登場”みたいな売り文句には納得いかないけど、とりあえず四の五の言わず、注目の個性として戦略に乗っかってしばらく楽しんでみます。買っちゃったし(笑)。

What Matters Most / Sun Soul Orchestra

ロサンゼルスを拠点にセッション・ミュージシャン/ツアー・ミュージシャンとして忙しく活動するスティーヴォさん(ドラム&キーボード、ニューオーリンズ生まれ)とジンジャーさん(チェロ、シカゴ出身)によるスタジオ・プロジェクト。

オリジナル曲はもちろん、メリー・ジェーン・ガールズ、ローリング・ストーンズ、ボブ・マーリー、コモドアーズ、シルヴィアといったひねりの効いたカヴァー曲も交えつつ、40人近い西海岸系腕利きセッション・ミュージシャン/セッション・シンガー仲間の全面協力を得て、クラシック、ジャズ、ソウル、ブルース、ヒップホップ、ロック、ボサノヴァなど様々な音楽要素を交錯させながら編み上げた、なんとも魅力的な音世界。

スティーヴォとジンジャー、二人で仕事のあとにご飯したりしながらあれこれ話し合った夢を実現したものらしいけれど、アルバムへと結実するまでに5年くらいかかっているんだとか。まあ、趣味性の高い1枚ではあるけれど、時折こういうアルバムに出くわしたときのほのかな喜びは格別です。

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ステイプル・シンガーズの要であり、最高のギタリストである故ローバック“ポップス”ステイプルズの遺作。亡くなる前年、1999年に録音した未完の音源の発掘リリースだ。

未完だけに、ポップス・ステイプルズの他界直前、その音源を託された娘のメイヴィス・ステイプルズもどういう形でリリースすればいいか、あれこれ悩んでいたのだとか。そんな中で現れたのが、2010年と2013年に彼女のアルバム・プロデュースを手がけて素晴らしい成果を上げたウィルコのジェフ・トウィーディ。ジェフの手腕を信頼したメイヴィスは、彼のもとにこのテープを持ち込み、ついに完成へと導いた。

ジェフがベース、息子のスペンサーがドラム、そしてメイヴィスが新たに歌声をオーヴァーダビング。といってもよけいなダビングはいっさい排されている感じの的確な仕上がりだ。あくまでも主役はポップス・ステイプルズ。ポップスの歌声ももちろんいいけど、なでるように弾いているのに深くファンキーな味わいがにじみ出すギターがたまらない。

メイキングのショート・ビデオがあって。そこでもちらっと聞くことができる「スウィート・ホーム」って曲はポップスの歌とギター、メイヴィスのコーラスだけで展開する。これが特にかっこよくて、やばいです。しびれます。

Joy in My Soul: The Complete SAR Recordings / The Soul Stirrers

去年出たL.C.クックのアンソロジーに続いて、同じSARレコードに残されたソウル・スターラーズとヴァレンティノズのコンプリート音源集が登場。そのうち、今回はソウル・スターラーズのほうをご紹介します。

スターラーズは、ご存じ、サム・クックやジョニー・テイラーを輩出した名門ゴスペル・グループ。結成はぐっと古く、1926年だ。30年代、40年代と活動を続けるなか、斬新なヴォイシングを導入したり、歌詞を即興で発展させたり、従来のゴスペル・カルテットのスタイルを大きく進化させつつ長年人気を博してきた。ぼくと同世代のロック、ポップス・ファンにとっては、1951年、当時まだ十代だったサム・クックがリードを担当するようになってからの音源がおなじみだろう。ただし、今回出たのはその後の時代の音源。

流れをざっくり整理しておくと。“悪魔に魂を売るのか”と激しく非難されながらもグループを脱け、愛を歌いかける対象を“神”から“女性”へと変えてポップ路線に転向したサム・クックに代わってジョニー・テイラーがリード・シンガーの座についたのが1957年。でも、サム・クックが在籍していたころの人気にかなうはずもなく。1959年、グループはレコード会社との契約を失ってしまった。そこで、古巣を救うために立ち上がったのがサム・クック。スターラーズのマネージャーでありソングライターでもあったJ.W.アレクサンダーと、創設以来の中心人物ロイ・クレインとともに、それぞれの名前の頭文字を並べたSARレコードを立ち上げ、ソウル・スターラーズと契約を結んだ、と。

その時期の音源を総まくりしたのが本CD2枚組だ。レーベルがスタートした1959年から、サム・クックが亡くなりレーベルが活動停止してしまう1964年までの間、スターラーズがSARレコードに残した2枚のアルバムの収録曲すべてと、アルバム未収録シングル、さらに未発表音源まで、全33曲が詰め込まれている。

もちろん、リードをとっているのはジョニー・テイラーと、曲によってはジミー・アウトラーなわけだけれど。大半をプロデュースしているのはサム・クックだ。それだけに、基本的には真っ向からのゴスペル集ながら、音作りは見事にポップでソウルフル。ばっちりサム・クックしてる。当時の彼がどんなサウンドを目指していたか、そのヴィジョンを検証するうえでも絶好の音源集だ。ボビー・ウーマックを擁するヴァレンティノズの盤ともども、サム・クック・ファンは見逃せないアンソロジーです。

そういえば去年の6月、ニューヨークでソウル・スターラーズ、見たんだっけ。まだやってましたよ。メンバー、誰が誰だか全然わからなかったけど…。

All The Way / The Drizabone Soul Family

かつてシャニースのリミックスあたりを皮切りに大当たりをとったUKのプロデューサー・ユニット、ドライザ・ボーン。アシッド・ジャズ・ムーヴメントの流れを受けつつ、90年代前半には自らアーティストとしても何曲かUKチャートでヒットを飛ばしたりしていたけれど。核を成していたメンバーのうちのひとり、ビリー・エイプリルが本名のビリー・フリーマン名義に戻り、フロントに立つヴォーカリストの面々を大幅にチェンジしてプロジェクトを再始動。ユニット名もザ・ドライザボーン・ソウル・ファミリーへとアップグレードして久々にアルバムをリリースした。

つーか、先月出てたことに全然気づかず、昨日知りました(笑)。もともとUKのリリース事情には疎いうえ、怒濤のブライアン/ガーシュイン旋風もあって、ずいぶんとあれこれ見逃してるみたい。いやはや。

94年だったか95年だったかに出た前アルバム『コンスピラシー』と基本的には同じ路線。ただ、音のほうはよりナチュラルかつメロウに。ギターのカッティングやアナログ・シンセの音色がかなり心地よいです。カーティス・メイフィールドとかアイズリー・ブラザーズとかマーヴィン・ゲイとかダニー・ハザウェイとか、その辺の70年代ニュー・ソウルっぽい味…というか、そういう音に影響を受けて70年代半ば以降、スウィートで、アダルト・コンテンポラリーで、ちょっぴりファンキーな、70年代ブルー・アイド・ソウル系の音楽を聞かせていた、たとえばアティテュードとか、ボズ・スキャッグスとか、アヴェレイジ・ホワイト・バンドとか、ネッド・ドヒニーとか、ハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズとか、ああいう連中のアルバムを次から次へ、わくわくしながら聞きまくっていたころの感触に近いものがここにもあって。おぢさんはとても懐かしい気分になったのでしたとさ。

ソウル系のものばかりでなく、ポップな4ビート系シャッフルものがあったり、歌謡ディスコ調の哀愁ポップがあったり。往年の代表曲「リアル・ラヴ」のリメイク・ヴァージョンも入ってます。お若い世代は90年代UKソウル・リヴァイヴァルとして、おっさん世代は70年代ブルー・アイド・ソウル・リヴァイヴァルとして、それぞれに楽しめる佳盤って感じかな。ただ、なんかアマゾンJPだと、異常に高額なことになってるんだけど。なぜだ? 先月出たばかりなのに…。いちおうインスタントストアのラインアップには入れておきますが、アマゾンならUKかUSで買ったほうがよさげ。ちなみに、HMVでは普通の値段。ぼくも普通の値段で買いました(笑)。

What’s New?

CRT & レココレ Present
Vol.196

秋だ! ELOだ! ボジョレーだ!〜ジェフ・リン解禁!

ブライアン・アダムス7年ぶりの新作をプロデュースしたかと思ったら、なんと15年ぶりに全曲新曲によるELOの新作まで登場! 秋の深まりとともに一気にジェフ・リンの動きが活発に。山が動いたとなれば、CRTも黙っちゃいられません。3年ぶりのジェフ・リンまつりを大開催! アイドル・レースからムーヴ、ELO、ウィルベリーズまで総まくりでお届けします。今年のジェフ・リンの味わいは豊潤で爽やか。飲んで、食べて、爆音・爆画面でマジカルなジェフ・リン・ワールドを堪能しましょう。解禁間もないボジョレーヌーボー、ご用意してお待ちしております。

2015年11月23日(祝) at 東京・新宿ネイキッドロフト
OPEN 17:30 START 18:30
※通常よりも1時間早いスタートです。ご注意ください。
出演: 萩原健太(音楽評論家)、祢屋康(レコード・コレクターズ編集部)、能地祐子(音楽評論家)
料金: 1600円(+1drinkから)
※ご予約・お問い合わせはネイキッドロフト店頭電話 & webにて。
【電話】03-3205-1556 (16:30〜24:00)
【web】 http://www.loft-prj.co.jp/naked/reservation/
※ご入場は当日の先着順になります。

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Live365でネットラジオ試験運用中です。50年代後半〜60年代前半からセレクトした480曲以上のガール・グループ、ドゥーワップ、ティーン・アイドル、ダンスR&Bプログラムです。(2005.10.9更新)
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Daddy & The Surfbeats
萩原健太が在籍するサーフ・ロックンロール・バンド、ダディ&ザ・サーフビーツの最新ライヴ情報です。
(未定。決まり次第、お知らせします)
Kenta's Programs
萩原健太が出演/選曲する番組のご案内です。

萩原健太のMusic SMiLE(JRN系列各局 月〜金)
くにまるジャパン(文化放送)(*毎週水曜日の正午過ぎから始まる『洋楽ジャパンX』のコーナーに月一度のペースで出演しています)
2005年3月までぼくが月曜日のDJを担当していたミュージック・プラザ第2部ポップス/オールディーズ(NHK-FM)の超常連リスナー、滋賀県の野出康博くんによる番組の私設応援サイト "Radio Sweetheart" はこちらです。スタート以来、終了までの番組の歴史を、ぼく本人も忘れてしまっているようなところまできっちり記録してくれています。野出くん、ありがとう。



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