Sunrise / Masabumi Kikuchi
ディック・クラーク、そしてリヴォン・ヘルム。ぼくに豊かな音楽体験をプレゼントし続けてくれた偉大な個性の訃報が相次いで。淋しい限りです。年齢を重ねれば重ねるだけ、こういう淋しい思いになることが当然多くなるわけですが。

個人的には、もっと別の形でトシを痛感させられてます。というのも、今度出る『ミュージック・マガジン』の“コンパクト・ディスカヴァリー”のページで、ジョン・メレンキャンプの「チェリー・ボム」をカヴァー曲だって書いちゃったのでした。もう出てるのかな。いずれにせよ、本当にすみませんでした。ものすごく恥ずかしい間違いです。あれは正真正銘、メレンキャンプのオリジナル曲です。さっき思い出して青くなりました。ここでお詫びするのも変ですが、マガジン読者の方がいらっしゃるかもしれないので。とりあえずここでもお詫びして訂正させてください。メレンキャンプのファンの方にも、レコード会社の方にも申し訳ないことをしたという思いでいっぱいです。ごめんなさい。

実は以前、一回、プライベートな場面で同じ間違いをやらかしたことがあって。それだけに、間違えちゃいけないって心がけていたつもりだったのに、それが逆にわざわいしたか、あっさり間違えちゃったという…(笑)。ヒット・シングルなのに。ヒットチャート・ファンとしても恥ずかしい限りです。言い訳のしようもありません。

先日も『レコード・コレクターズ』でフィル・スペクター特集があったとき、ウォーカー・ブラザーズの「太陽はもう輝かない」を、なぜかトレメローズの「サイレンス・イズ・ゴールデン」と勘違いして、“フォー・シーズンズのシングルB面曲のカヴァー”とか書いちゃったり…。これはコレクターズ誌のほうで後日お詫びさせていただきましたが。あれなんかも、ずいぶんと恥ずかしいケアレス・ミスだったなぁ、と。なんだかいろんな意味でやばいです。反省の日々です。

こういうときは、静謐なジャズに身を浸し自分を見つめ直します。われらがプーさん、菊地雅章がECMと契約してリリースした第一弾アルバム。昨年逝去した名匠ポール・モチアン(ドラム)と若き実力派トーマス・モーガン(ベース)を従え、ぴんと張り詰めた緊張感と穏やかな息づかいとが交錯する、なんともいえない音像を構築してます。近年の菊地雅章にしては、けっこう速いパッセージとかも目立って、ちょっとだけ饒舌な気もするけれど、それでも慎重に選び抜かれた抽象的な音の連なりが実に具体的なイメージを形作っているというか。音符と音符の間に風景があるというか。

メンバーどうし、鋭くツッコミ合ったり、さりげなく調和したり。まあ、いかにもECM然としたジャズって感じではありますが。でも、この行間を活かした、俳句にも通じる簡素で美しい音世界は、日本人ピアニストである菊地雅章にこそもっとも適切に表現しうるものなのではないか、と。そんなふうにも思ったりして。いや、どうかな。ぼくのことだから、また何か間違っちゃってるかもしれないな。本当にすみません…(笑)。