A Treasure / Neil Young & The International Harvesters原稿書きに飽きちゃったので、息抜き更新(笑)。ちょっとだけフラゲした盤をご紹介しときます。ニール・ヤングが1984年から85年にかけて行ったツアーやテレビ出演時に収録された未発表ライヴ音源を集めた、文字通り“お宝”アルバム。アーカイヴ・パフォーマンス・シリーズのvol.9。リリースとしては6作目ってことになる。ちょうど、当時在籍していたゲフィン・レコードとモメまくっているころの音。レコード会社もサポートしてくれない、とりあえずプロモートすべき新作アルバムもない、みたいな時期に行われたツアー。まあ、意固地になっていたころの音とも言えるし、逆にそのころニール・ヤングが心底やりたかった音そのものとも言えるし。なかなか面白い記録の発掘だ。

音のほうは、ばっきりストレートなカントリー。このツアーのあとでリリースされることになるアルバム『オールド・ウェイズ』にそのまま直結する音をたっぷり楽しめる。『オールド・ウェイズ』は、もともと82年、ウェイロン・ジェニングズやウィリー・ネルソンといったカントリー界の仲間を迎えてナッシュヴィルで録音されたアルバムで。要するに『ハーヴェスト』とか『カムズ・ア・タイム』といった名盤とも共通するアコースティカルなスタイルで録音されたものだったのだけれど、ゲフィンはこれを“売れ線ではない”と判断。長らくお蔵入りさせていた。ゲフィンはあまりにもニール・ヤングが同レーベルのもとで売れ線ではないアルバムばかり作るので訴訟まで起こしたほどだった。いつの時代もレコード会社ってのはねぇ、まったく…。

と、まあ、そんな騒動のさなかに行われたツアーだっただけに、ニール・ヤングはある意味、とことん戦闘的な姿勢で、しかしひたすら穏やかでアコースティカルなカントリー音楽を演奏していたわけだ。その辺のたたずまいがなんともスリリング。ベン・キース、ルーファス・ティボドー、スプーナー・オールダム、ティム・ドラモンド、カール・ヒメルら、おなじみの顔ぶれが集った“ジ・インターナショナル・ハーヴェスターズ”をバックに従え、確かに80年代半ばの時流とは大きくかけ離れたニール・ヤング流カントリー・ロックを聞かせる。トレイシー・ネルソンもバック・コーラスで参加してます。

初出の未発表曲も5曲。どれもごきげんなバールーム・カントリーの雨アラレだけど、中でも娘さんに捧げたという「アンバー・ジーン」と、幸せな暮らしをしみじみかみしめつつ、しかし神が与えてくれた幸せを失った人生にも目を向けておかねば…みたいなことが歌われているとおぼしき「ナッシング・イズ・パーフェクト」が泣けた。その他、『リアクター』収録の「サザン・パシフィック」と「モーター・シティ」をさらにホンキー・トンク寄りのアレンジで聞かせているのも面白い。ジョー・ロンドンの「イット・マイト・ハヴ・ビーン」はクレイジー・ホースともやってたっけ。あと、バッファロー・スプリングフィールド時代の「フライング・オン・ザ・グラウンド・イズ・ロング」とかもニール自身のヴォーカルで演奏していて。これもすっげえよかったです。

いつものように、CD、アナログ盤、ブルーレイなど、たくさんのフォーマットで出てます。ヤングさんの言うこと聞いて、なるべくブルーレイで買うようにしてるけど。ブルーレイって、未来あるの? だいじょぶなの?