楽しいニュー・リリースがあれこれ続いていて。夢のような毎日です。もっと頻繁にブログの更新すれば全部紹介できるんだろうけど。ものぐさで、どうもいけません。文筆を商売にしているわりに、文章を書くのが嫌いで(笑)。ツイッターの140字すらめんどくさい。いけませんねー。

最近、いちばんぶっとんだのがポール・マッカートニーの『バンド・オン・ザ・ラン』の再発かな。ヒア・ミュージックに移籍して改めてスタートした再発プロジェクト第一弾。いろいろなエディションが出ているけど、ぼくがいちばん楽しんでいるのは96KHz/24bitハイレゾ音源のデジタル・ダウンロード版。リミッター入りとなしと2種類あるんだけど、特にリミッターなしのやつがすごかった。ダイナミック・レンジがとてつもなくて。もちろん音もクリアで。間もなく出るらしいジョージ・ハリスンのハイレゾ音源も楽しみで楽しみで。結局ハイエンド・オーディオの世界も今後はこっち方向が中心になるんだろうなぁ。ファイル容量が小さくて音質はそこそこのm4aとかmp3と、ファイル容量はばかでかいけど爆発的に高音質のハイレゾ音源と…。

どっちにせよ、最終的にはダウンロードだけでなんとかなっちゃう世の中というか。

あ、そういえば今度の土曜日、11月20日に秋葉原でそういうイベントやります。なんと、auのケータイBRAVIAで、超高額なハイエンド・オーディオ機器を鳴らすという企画。小寺信良さんと一緒に、lismoの音源使ってポップ・ミュージックのレコーディング史をたどります。興味ある方はこちらのホームページをご参照ください。おいしい料理とかお酒とか味わいながら、いい音楽を楽しんでもらえると思います。ぜひ参加申し込みのほど、よろしく!

そのイベント用のコメントにも書いたことなんだけど。今や音楽再生機の最新形はケータイなわけで。ほんと、そういう世の中なんだなぁと思い知ることが多い。でも、おじさんはパッケージが大好きなのですよ。世代的にそういう身体になっちゃってるから。すり込まれちゃってるから。そういう身にとって特にたまらないニュー・リリースがブルース・スプリングスティーンの『The Promise: The Darkness on the Edge of Town Story』だった。

内容も、もちろんすごい。78年の名盤『The Darkness on the Edge of Town(闇に吠える街)』の最新デジタル・リマスター盤と、同時期に録音された2枚組未発表曲集『The Promise』と、これまた未発表のメイキング映像とかライヴ映像とかを満載した3枚のDVDを組み合わせたもの。75年に『Born To Run(明日なき暴走)』を出したあと、もろもろの訴訟に巻き込まれて思うように新作をリリースすることができなかったスプリングスティーンだけど。レコーディングだけはやっていた。ものすごい勢いで続けていた。その時期の音源というのは、スプリングスティーン・ファンにとっていちばん興味があるものなわけだけど。それがついにドバッとまとめて公式リリースされたのだから。盛り上がらないはずがない。

『The Darkness on the Edge of Town』自体の音質も今回のリマスタリングでさらに“強く”なった感じ。『The Promise』のほうもごきげん。これをお蔵入りにしたまま放っておいたんだから。当時、ソングライターとしても、パフォーマーとしても、スプリングスティーンがいかにノリノリだったか、改めて思い知る。映像もすごい。メイキングはもちろん、70年代のライヴと、近年、『The Darkness…』の全曲演奏をやったときの映像と、両方を楽しめたり、スプリングスティーンの歩みを長いスパンで味わえる仕上がりになっている。

でも、とにかくパッケージが強力で。手にして一発でやられた。ノートになってるんだけど。いかにもアメリカっぽい3穴の分厚いリングノート。ページにはびっしり、たぶん当時スプリングスティーン自身がぐりぐりとボールペンで書き込んだと思われる歌詞とか、曲順のアイディアとか、メモとかが並んでいて。貴重な写真や、記事、コンサートのチラシ、カセットレーベルのコピーなんかがスクラップされていて。その狭間に、紙ジャケに入ったCDやDVDが収められている、と。この質感がたまらない。わけもなく3穴ノートとボールペンを買いに行きたくなっちゃう(笑)。大昔、映画『大統領の陰謀』を見たときと同じ気分だな、こりゃ。やー、パッケージ、楽しい…。