2008年の『ナッジ・イット・アップ・ア・ノッチ』に続くスティーヴ・クロッパーとフェリックス・キャヴァリエの共演プロジェクト第2弾。

今回、彼らふたりと共同プロデュースを手がけているのはドラマーのトム・ハムブリッジ。ほとんどの曲を3人共作で書き下ろしている。飛び抜けた傑作曲があるわけではなく、古き良きR&Bマナーを随所に盛り込んだ、そこはかとなくいい曲がずらり並んでいるのは前作同様。そんな中、クロッパーが、多くの音を弄することなく、無駄に音を割ったりすることもなく、しかし聞き手のツボを突きまくる必殺のギター・リックを提供し、キャヴァリエが誰にも真似できない胸締め付けるブルー・アイド・ソウル・ヴォーカルとファンキーなオルガン・プレイを繰り出す…と。これがかっこよくないわけがない。

ちなみに、前作で共同プロデュース/共同ソングライティングしていたジョン・タイヴンとの共作はアルバムのラストを飾るMGズっぽいインスト1曲。前作のアウトテイクかも。

ただ、カヴァーが2曲入っていて。スペンサー・デイヴィス・グループのカヴァーでもおなじみ、ソウル・シスターズの「アイ・キャント・スタンド・イット」と、アン・ピーブルズの「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」。これがごきげんによくてねぇ。やっぱ楽曲自体の良さが物を言う。こうなると、もうちょい書き下ろし曲が充実すればな、と。つい贅沢な思いになってしまったりもするのだけれど。

でも、このリヴィング・リジェンドふたりが今なお元気に、がっぷりソウルフルなタッグを組んで現役感あふれる活動を聞かせてくれているだけで、もう感謝です。